国府は、和名抄では平鹿郡。拾芥抄では、平鹿郡、出羽郡、両方に府と記載ある。
出羽柵(庄内地方にあったとされる)に置かれたと考えられているが、所在は不明である。 出羽柵は、733年(天平5年) に秋田高清水岡(現在の秋田城跡)に移ったが、その際に国府機能も秋田に移転したかどうかについては諸説あるが、考古発掘によれば8世紀後半に秋田へ国府が移されていたと推測される。その後秋田城周辺の蝦夷の反乱等により国府は移転を余儀なくされ、その移転先についても河辺郡説(『日本後紀』の河辺府を国府と見る説)、平鹿郡説(『和名抄』に「出羽国、国府在平鹿郡」とある等による説)、出羽郡(後に飽海郡)説(考古発掘の結果等による説)等の争いがあるが、最終的に庄内平野の城輪柵跡に移ったことにはほぼ異論はない。
蝦夷との境界付近には759年(天平宝字3年)に雄勝城も設置され、以後庄内平野の国府、秋田平野の秋田城、仙北平鹿平野の雄勝城の一府二城体制が続いた。
雄勝城の所在地は諸説ある。秋田城については考古発掘によると10世紀中頃までの遺跡しか発見されていないが、文献上からは秋田城は12世紀頃まで留守所があったことが分かっている。また、国府留守所も14世紀頃までは存在しているようであるが、雄勝城はいつの頃からか停廃したらしい。
国分寺は、山形市薬師町の天台宗護国山柏山寺(本尊:薬師如来)。安国寺は、山形県東村山郡山辺町大寺の曹洞宗太平山安国寺(本尊:釈迦如来)がそれぞれ法燈を伝承する。国分尼寺と利生塔は現存しない。
延喜式神名帳には以下の大社2座2社・小社7座7社の計9座9社が記載されている。
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飽海郡 大物忌神社(現 鳥海山大物忌神社。山形県飽海郡遊佐町) 名神大社
飽海郡 小物忌神社(山形県酒田市山楯)
飽海郡 月山神社(山形県東田川郡庄内町立谷沢) 名神大社
田川郡 遠賀神社(山形県鶴岡市井岡、同市遠賀原、同市外内島に論社3社)
田川郡 由豆佐売神社(山形県鶴岡市湯田川)
田川郡 伊弖波神社(現 出羽神社。山形県鶴岡市羽黒町手向)
平鹿郡 塩湯彦神社(秋田県横手市山内大満川)
平鹿郡 波宇志別神社(現 保呂羽山波宇志別神社。秋田県横手市大森町八沢木)
山本郡 副川神社(論社以下の4社)
副川神社(秋田県南秋田郡八郎潟町浦大町)
嶽六所神社(秋田県大仙市神宮寺)
八幡神社(秋田県大仙市神宮寺。嶽六所神社境外社)
添川神明社(秋田県秋田市添川)
このうち、月山神社・伊弖波神社は出羽三山を構成する神社である。
一宮は鳥海山大物忌神社である。鳥海山山頂に本殿が、山麓の吹浦と蕨岡の2か所に口宮(里宮)がある。長年2つの口宮が一宮の称を争っていたため、江戸時代、幕府の裁定により山頂の祠が一宮と定められた。二宮は山形県酒田市城輪の城輪神社(大物忌神社の摂社)、三宮は小物忌神社である。
総社は、秋田市川尻総社町の総社神社、秋田市寺内児桜の古四王神社、山形県藤島町藤島六所畑の六所神社などが候補となっている。